- 管理業務(安全・品質・出来形・写真・工程・原価・変更対応など)は多岐にわたる。これらを特定の担当者に集中させず、どう分担し、組織として標準化していくかが課題だった。
- 写真整理の手順が現場監督ごとに異なり、社内で統一された基準がなかった。
- 現場代理人は発注者の対応や現場管理と並行して書類・写真整理に追われ、帰宅が20時を超えることもあった。
- 建設ディレクターは、現場経験が浅い中で写真の分類基準や工事の専門用語の理解に時間を要していた。
- 写真整理の“基本の型”を学び、社内の分類ルールを統一したい。
- 若手(建設ディレクター)の育成・定着につなげたい。
- 現場代理人が安全管理や本来のコア業務に集中できる時間を確保したい。
- 人員配置を柔軟にし、残業・コストを削減したい。
今回は支店長の岩木様、現場代理人の若松様、建設ディレクターの戸内様の3名にお話を伺い、それぞれの立場から見た「現場BPO」導入前の期待・課題・不安をご紹介します。
瀬戸内支店 支店長 岩木 洋隆 様のインタビュー現場代理人 若松 黎冶 様のインタビュー現場事務 戸内 優香 様のインタビュー
次世代に引き継ぐための投資
現場BPO導入の背景にある、組織としての課題は?
弊社では、安全管理・品質管理・出来形管理・写真管理・工程管理・原価管理・変更対応など、一つの現場に求められる管理業務は多岐にわたります。
これらをどう分担していくかが、組織運営における大きな課題でした。特に、ICTやCAD、施工管理ソフトの操作を支援できる「建設ディレクター」の育成は、急務のひとつです。
また、写真整理ひとつをとっても、監督ごとにやり方が違うのが実情でした。統一した基準がないまま各現場が個別に対応しており、日々写真整理を管理できている現場は決して多くありません。
だからこそ「採用・内製」ではなく、まず「外注(BPO)」という形で、基本となる手順・方法を学べる仕組みをつくりたいと考えました。
現場BPOに期待していることは?
写真整理の基本、つまり基準に沿った分類や入力のルールを、建設ディレクターに実際に手を動かしながら学んでもらいたいと思っています。
加えて、写真を撮る現場側と、それを整理する側との間にある認識のズレを早い段階で洗い出し、手戻り作業をできる限りなくしていきたいですね。
正直な不安はありますか?
弊社の建設ディレクターは土木経験のない職員です。土木用語や名称に不慣れなため、打ち合わせに時間がかかることは覚悟しています。
それ以上に大切にしたいのは、職員が不安を感じないようにサポートすることです。公共工事である以上、書類の精度や情報のやり取りの安全性は、事前にしっかり確認しておきたいポイントです。
半年後、どんな状態になっていたら「導入してよかった」と言えますか?
写真管理の手順・方法を社内で統一し、担当者がストレスを感じずに写真管理の基本を理解している状態です。具体的には、写真の確認作業がその日の勤務時間内に終わり、手戻り工事が減っていること。
そして、写真の撮影・整理の方法を社内で共有できるベースができていることです。組織としては、人員配置の柔軟化、若手の育成・定着、残業やコストの削減にもつなげていきたいと考えています。
20時を過ぎる帰路
いまの現場で感じている、一番の課題は?
発注者との打ち合わせや現場での管理と並行して、どうしても書類作成が追いつかなくなる場面があります。
平均的な一日の流れは?
日中は現場に出て、事務所に戻るのは夕方。そこから写真整理をして、帰宅は20時を過ぎることも珍しくありません。
現場BPOに、まず何を期待していますか?また不安はありますか?
まずは写真整理の振り分けをお願いしたいと考えています。
会社によって写真の仕様が違うので、他の現場の仕様と混ざってしまわないか、というところは気になっています。
「導入してよかった」と言える状態とは?
書類などの書式が現場ごとにバラバラではなく、統一されている状態です。空いた時間は、現場の安全管理や社内の書類対応にもっと充てたいと思っています。
いま、どのような業務を担っていますか?一番の負担は?
現在は写真管理を担当しています。ただ、実際に写真を整理する際、「この写真はどこに分類されるのか」を考えるのに一番時間がかかっています。
作業名を見てもすぐには何の作業か分からず、調べてようやく分かる、ということも少なくありません。
いまの課題は?
現場の詳しい内容についてまだ理解が追いついていないこと、そして写真の分類方法そのものに難しさを感じています。現場のことや写真管理については、今まさに学ばせていただいている段階です。
現場BPOに、まず何を期待していますか?また不安はありますか?
写真整理をどのように行うのが正しいのか、実際のやり方を参考にさせていただき、今後の自分の仕事に役立てていきたいと思っています。
現場や工事の詳しい内容について、自分自身の理解がまだ十分ではないので、現場BPOの方々に現場の状況をうまく伝えられるかという点は少し不安です。
「導入してよかった」と言える状態とは?どんな連携を期待しますか?
現場監督の負担と残業時間が少しでも減り、余裕が生まれている状態になってほしいと思っています。
連携の形については、まだこれからやり取りする中で、自分たちがやりやすい方法を一緒に見つけていきたいです。
まとめ
支店長が描く“型”づくりと若手育成、現場代理人が求める書式の統一と時間の使い方、そして建設ディレクターが一歩ずつ積み重ねる学び。三者三様の視点は、同じ一つの未来へとつながっています。
現場BPOの伴走が、丸福建設様のこれからの現場に、どのような変化をもたらすのか。
一定期間の運用を経た、具体的な変化や導入効果は次回記事にて改めてレポートいたします。